基調講演

「イノベーションを担うIT融合人材への期待と今後」

AITコンサルティング株式会社 代表取締役
経済産業省 産業構造審議会情報経済分科会
人材育成ワーキンググループ委員長
イノベーション融合学会 会長
有賀 貞一 様
有賀 貞一 様

概要

「一昨年の9月産業構造審議会人材育成WG(委員長有賀)で、 次世代高度IT人材に関する報告書をまとめた。それを基に、 昨年来、その人材像、必要スキル、育成方法、組織要件などが、 ITコーディネータ協会(ITCA)と情報処理推進機構(IPA) の 共同事務局のもとに、関係諸団体を集めた連絡会で詳細に 討議された。結果は 「IT融合による価値創造に向けて〜IT融合人材の育成と組織能力の向上〜」 として今年5月に公表された。またITCA、IPA、JISAなどが中心になって、 報告内容を教育に生かすべく「イノベーション人材育成ワークショップ」 の試みも始まった。

また議論のプロセスの中から、イノベーティブな人材を 育成するための方法論が、ITコーディネータ協会メンバーを 中心にまとめられ、「プロセスで解き明かすイノベーション」 という本として、5月に出版された。

さらに本の著者や私を中心に、7月に「イノベーション融合学会(IFSJ)」 を設立し、上記の動向をを先取りするとともに、新しいビジネスモデル や新しいサービス、商品を生み出すべく活動する、ユニークな学会を スタートさせた。

現在政府は経済成長促進のための諸施策の中でも、イノベーション、 地方、中小企業をキーワードに、来年度予算編成を進めている。 人材育成WG を開始したころには、イノベーションに対する認識は薄く、 上記連絡会においてさえも最初のころは、イノベーションの意義、 定義など初歩的な討議に時間を費やした。

この半年ほどの間に状況は相当変わってきた。 今やイノベーティブな活動、さらにはそれを支える高度なITの活用策が なければ、国内はもとより、国際的な競争に勝てない、 ということが定着しつつある。 また高度なIT利活用を支えるクラウドサービスの充実が、それを支え 現実的なものとしている。

講演においては上記のような環境情勢を踏まえ、 人材育成WG活動、連絡会活動、5月の報告内容、本の紹介、 学会活動の紹介、今後の展開方向、などについて述べたい。